あてもなき 夢想に耽らぬ 人やある

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クローズアップ現代「東大紛争秘録〜45年目の真実〜」


NHK1月30日夜7時半からの番組で、同局のサイトではこう紹介されています:
 
1960年代後半、「政治の季節」と呼ばれた時代を象徴する「東大紛争」。今回、NHKは昭和史に残るこの大事件にまつわる第一級の資料を独自に入手した。45年前の安田講堂陥落の直後、当時の大学執行部が紛争の顛末を極秘裏に語り合った座談会の600頁におよぶ議事録である。東大紛争に関してはこれまで学生側の証言や資料は多く刊行されてきたが、紛争の収束に向けて大学側は何を考え、どう行動したかについては全く分っていなかった。発見された資料からは、大学側が学生だけでなく、機動隊導入や入試実施の是非をめぐって国とも激しく対峙し、そして「敗北」していったことが初めて明らかになってきた。その後の日本の大学のあり方を決定づけたとも言われる「東大紛争」。これは、戦後史の空白を埋めるスクープドキュメントである。
(http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3461.html)

さて番組では、資料映像やインタビューの記録を流した後、出演者の松本健一・麗澤大学教授が当時の学生達の問い掛けにかなり好意的な発言をしていた。今のテレビでこんなコメントが流れるのも珍しいと思いつつ見ていたところ、
 「...最近の若者達は知識が無い、元気が無いというんじゃなくて、そういう社会をつくったのは実は」
のところで司会者が
 「有難うございました」
とさえぎり、それに重なって松本氏が
 「我々である...」
と言い掛けているところで終りました (再放送があったので録画して確認)。
 明らかに松本氏にはまだ続ける積りがあり、ほとんどセンテンスの途中なのにポンと切られた、そう感じるくらい急に司会者が「有難うございました」と割って入って、番組が終了したのです。

同局の「みなさまの声にお応えします」という係に電話してみたところ、この晩も生放送でした。時間枠としてはまだ4分はあったのに、どうして発言の途中で切れたのか尋ねると、「予定通りに他の番組に関するスポットと天気予報を入れただけ」との返事です。「戦後史の空白を埋めるスクープドキュメント」と自ら意気込んだ番組なのに、わざわざスタジオに招いた出演者の言い始めたセンテンスをさえぎり、いつもは最後に司会者が総括してみせるのにそれも無い。如何にも尻切れトンボでした。

就任会見で物議を醸し、日経新聞でさえ「会長は安倍晋三首相に近い委員が入ったNHK経営委員会が任命した」 (1/28付け朝刊) と書いている新会長が登場したことと、どう考えても奇妙なこの終り方、全く関係の無い二つの事実なのでしょうか。

いずれにしても、NHKと言えば他局にも増して礼儀を尊重しているところです。そのNHKが、スタジオに招いた出演者が言い始めたセンテンスを終えるまでほんの10秒, 20秒待つより、他の番組のスポットを流す方が重要だと考えているとは知りませんでした。

追伸。私は変だと気付いた後に再放送を録画しただけだったので、番組終了後に流れた映像の奇妙さについて、今一つ確かなことが書けませんでした。でも別のブログ
http://shoshisaikou.blog10.fc2.com/blog-entry-52.html
に、「天気予報や次番組紹介などの恒例の手続きに入るまでの間、番組とは全く関係のない、妙な児童画?風の絵画をながして」とありました。言われてみればその通りで、同局の「みなさまの声にお応えします」という係に電話した時の回答は、やはり事実を隠蔽していたことになります。実際、応対した女性は最初「確かに切れてましたね」と反応したにも拘わらず、編集部に問い合せた結果を説明する時は、「予定通りの進行だった」と繰り返したのです。

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