あてもなき 夢想に耽らぬ 人やある

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ぴあの(14)三冊目の教則本


というわけで、やっぱり何か続きの教則本が欲しい。

実は探すまでもなく、安川加寿子センセイが『ピアノの練習 ABC』の冒頭に、「次は『ラジリテ』よ」と書いてくれてある (L’Agilité 敏捷さの意)。著者は『ピアノの練習 ABC』と同じル・クーペ。

しかし『ピアノレッスンのヒント』に、

『ラジリテ』は『ツェルニー30番』と一部重なる、
『ツェルニー30番』はお楽しみのピアノには必要無し、

と書いてあるんですね〜。これを読んで私は、小学生の頃から親に注意されていた早合点の癖が出て、『ラジリテ』はやらなくていいんだと思い込みました。実際、覗いてみても音階練習が基本でポイントは速度らしいけど、とても出せないレベルです。

さりとて、教則本として練習したのは

 『メトードローズ』
 『ピアノの練習 ABC』

の二冊だけ、というのも如何にも寒々しい。

あれこれ悩んでいる内に、『ラジリテ』が『ツェルニー30番』に一部重なるとしても、ほんの一部なのかも知れない... とやっと気付いて、参考までに手元に置くことにした。買えば当然、最初の二曲くらいは手を付ける。すると意外や意外、半年前には単なる音階練習にしか見えなかったのに、『ピアノの練習 ABC』と同じ作者とは思えない音楽性が感じられる。

これで今後の戦略 (笑) は決まりました:『ピアノの練習 ABC』の復習及びキャサリン・ロリンの曲と並行して、ぼちりぼちり『ラジリテ』をやる...

な〜んて宣言すると、声が聞こえてきそうです:

『ラジリテ』相手に指定速度の半分も行かない練習して意味あんの?

その通りなんですよね。でも、今更 別系統の教則本で苦労する気にはなれないし、70歳で始めて指が速くしなやかに動くようになるには、とにかく毎日弾いて一年、二年、... と時の経つのを待つしかないのではないか。


思い返せば私がブログを始めたのは2008年。丁度10年目にこんな成り行きになったのは、正に運命としか言いようがありません。だって、

1)私がブログを始めていなければ、
2)浅見光彦シリーズ第50作『貴賓室の怪人』に流れた曲を記事にすることも無く (キャサリン-ジェンキンス "La Califfa")、
3)それが南戸麻亜さんの目に留まることも無く (連載 (1))、
4)映画『プロフェッショナル』主題曲の譜面などもらえず (連載 (1))、
5)右手の旋律あってこそ左手の魅力も生きる... (連載 (2))などと悟ることも無かった。 

そういう意味では、そもそも1980年にフランスに留学して日本未公開の『プロフェッショナル』を見ていなければ... ということになり、留学の準備を始めて以来、40年に亘る偶然と必然の戯れを感じるわけであります。
 
追伸その一 初級の仲間入りをしたのかどうかさえ定かでない私も、一つだけ胸を張って言えることがある。最初の頃は五線を一本一本数えて、一々ドレミファ...と読んで、やっと打つべきキーに辿り着く有様だった。それが漸く、真中のドを起点に上下二オクターブは、譜面の音符から直接鍵盤に行けるようになりました。
 でも困ったことに、♯や♭が一つ二つ付いただけで、譜面を見ただけではどんな旋律なのか全く分らない。

追伸その二 それにしても、南戸麻亜さんのアドバイス付き独習にしてほんとに良かった。レッスンなど受けていたら、一年に幾ら払うことになったか分りません。もっと深刻なことには、「年寄りの楽しみだから」と幾ら説明しても中々前に進ませてくれず、『ABC』はおろか『メトードローズ』が終る前に、あの世からお迎えが来てしまったかも知れません。

追伸その三 万一期待なさっているといけませんので申しますが、成果の程をYouTubeで見たいと仰ってもできません。連載 (7)の4) で、「音は合ってるけど、音楽には聞こえない」と言われるに違いないと書いたのが、謙遜ではなく事実なのがバレてしまいます。
 それに、YouTubeを始めとする様々なサービスを片端から買収して、「何をするにもGoogleを経由せざるを得なくする」という同社の戦略に反発して、アカウントを捨てましたので (「さらば Androidスマホ、さらば Google...」)、お見せしたくても投稿できないのです。

追伸その四 読者の皆様に誤解の生じないよう、気を付けて作文してきた積りですが、何分素人のこと故、アドバイスにしても事実の記述にしても誤りを免れぬと思います。信ずるも信じないもご自分の判断でお願いします。

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