あてもなき 夢想に耽らぬ 人やある

Entries

ぴあの(10)とにかくゆっくり弾く


連載 (6) の最後に、『メトードローズ』の練習曲は『バイエル』より音楽性を感じると書きましたが、中には何の感興も湧かない曲もある。そういうのに限って、幾ら繰り返してもミスらずに弾き通すことができない。
 
厭な曲でも辛抱して弾かないと上達しないの?
何の魅力も感じない曲をしつこく弾いていると、ボクの豊かな感受性が失われてしまうんじゃないの?
 .....
などと心は千々に乱れるのであります。

第六課 (総集編) の直前二曲が正にそうで、上がらない限り進むのを禁じていると、憂鬱になって練習も楽しくない。これでは仕方がないと取り敢えず第六課に入ったところ、気分も良くなり、問題の二曲も改めて練習する気になりました。  

その時、例の『ピアノレッスンのヒント』のアドバイスを思い出したのです:

 a) 途中でつかえた時は、また頭からそこまで弾いてくるのでなく、つかえた部分を集中的に練習する。
 b) 一曲をミスらず弾き通せない時は、ゆっくり弾いて確実に弾けるようにしてから、テンポを上げる。
 c) 筋肉というのは、速い動作をしても余り鍛えられないことは、様々なスポーツ分野のトレーニング研究から分っている。
 (中略)
ゆっくりした動作を確実に実行することで、弾くのに必要な指の筋力が付く。

これを改めて読んで、いつまで経っても弾き通せないのは、速度を落とし足りないのだと漸く気付きました。そこで、一音一音確かめながら弾くくらいに速度を落としている内に、厭だった二曲も何とか上がりました。弾き通せない時は徹底的に速度を落とし、確実に弾けるようにしてからテンポを上げる。この方が遥かに効率の良いことを、確信した次第です。

自分なりに分析してみた結果、

 1)それなりのテンポで弾いていると、難所を通り過ぎた途端にミスる。
 2)少し先で指を一つ通常の位置からずらさなければ、と思っていると、その手前で別の指がずれる。

といった現象に気付きました。ほっとして集中力が落ちる、指の次の動きが気になって、それより前の動きを邪魔する、など無意識的なものらしい。ゆっくり弾くと、そうした無意識の絡みを切り離す効果もあるような気がします。

こうして試行錯誤の末、2018年7月に『メトードローズ』終了。

*Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

Menu

Recent Entries