Entries
キャサリン-ジェンキンス "La Califfa"
突然ですがお聴き下さい:
"La Califfa"
中村俊介主演の浅見光彦シリーズ第50作『貴賓室の怪人』の再放送を見ていて、前奏無しで流れた女性の歌声が耳に留まりました。ドラマは必ず録画した上で見る主義なので、僅か35秒間の旋律を何度も再生している内に、いよいよ好きになってしまった。
何故かと思うに、たまたまバルザック『三十女』の、美しい大人の女性の秘めた恋が語られる場面を読んだばかりでありまして、きっとこの35秒間の歌声がその雰囲気にぴったりに感じられたのでしょう。
いや待てよ。「貴賓室の怪人に気をつけろ」との怪文書に誘われるようにして、取材を名目に豪華客船・飛鳥IIに乗り込んだ浅見光彦。案内役と称してまるで恋人の如く寄り添うのが、つぶらな瞳をしたちょ〜可愛い藤澤恵麻。私だったら、取材の案内役だと自己紹介された瞬間、「こんな可愛らしいお嬢さんに案内してもらえるなんて! ど〜してこの船は全長241mしか無いんですか、ど〜して3kmくらい無いんですか?」などと、口走っていたに違いありません。彼女に連れられて、光彦が船内を見て回り始めた時に、この曲が流れるのです。
しかも、この記事を書き始めてから気付いたのですが、ドラマ冒頭の飛鳥II出港の場面で既にこの曲が流れている。その時に何も感じなかったのは、一体何故なのか。我ながら、恵麻ちゃんの顔を見た後だから旋律の美しさに魅せられたのではないか、という疑いが晴れない...
それはともかく、どうしても何の曲か知りたいと、まずはテレビ局に電話することを考えた。しかし以前にも、ドラマで耳にした曲が忘れられず、教えて欲しいとテレビ局に電話したところ、「そういうご質問にはお答えしておりません」と、最近の加計文書に関する菅官房長官か松野文科大臣みたいな答え方をしよって、不愉快至極だった。「そこのところを何とか」と食い付いて、漸く桑田佳祐の「東京」という情報を引っ張り出した経験がある。
たったそれだけのことを視聴者に教えるのが厭なら、クレジット・タイトルに使った曲を全部表示すりゃい〜じゃんと、腹が立ったことを思い出し、まずは「Yahoo!知恵袋」に質問を投稿。すると、朝8時頃だったのに10分後にはどなたかが回答を寄せて下さって判明しました。
凄〜いと感心しながら、引用されたYouTubeの動画から始まって、他の歌手やピアノソロによるカバーなど色々聞いている内にびっくり。何とエンニオ・モリコーネが映画『La Califfa』のために作曲した内の一曲だったのです。日本では公開されていないこの映画については、こちらに興味深い解説があります:
「居ながらシネマ」
オリジナル・サウンドトラック
サウンドトラックを聞くと、ジェンキンスの歌声に比べて少し地味な感じ。逆に言えば、彼女に歌わせるべくアレンジしたのは絶妙のアイデアだったということになります。
エンニオ・モリコーネはいつも曲想とサウンドが斬新で、しかも映画『プロフェッショナル』(ジャンポール・ベルモンド主演) のテーマ曲のような、美しい旋律を幾つも書いている。『プロフェッショナル』も日本では公開されなかったようですが、これについては、
『プロフェッショナル』(1981)
オリジナル・サウンドトラック
このテーマ曲は元々、やはりモリコーネが音楽を担当した『マッダレーナ』の中の「キ・マイ(Chi Mai)」でした:
『マッダレーナ』
実は「キ・マイ」のピアノソロによるカバー曲を朝の目覚しに使っているのですが、何度も聴いている内に、左手の部分が一本指で弾けそうな気がしてきて、iPadの鍵盤アプリを手に入れ、音を頼りに最初の5, 6音くらい突き止めた。しかし全曲に亘って突き止めるのはとても無理。そこで譜面起こしのサービスがあるのを知り、ネットで検索した三社に左手部分だけで良いと依頼したところが、一社は今他の作業で手一杯とか何とか、残り二社は返事も寄越さなかった。
『貴賓室の怪人』に流れる曲をすぐにジェンキンスの歌声と教えてもらえたので、再び「Yahoo!知恵袋」に問い合せてみましたが、今回は残念ながらまだ成果が上がっておりません...
*Comment
Comment_form