あてもなき 夢想に耽らぬ 人やある

Category [音楽関係 ] 記事一覧

ぴあの(15)バッハ:論理的構築の奏でる叙情の調べ


辛い練習の日々 (笑) を支えてくれる、バッハのピアノ曲。連載の最後に、前半が特に素敵とか、後半に綺麗な旋律の流れてくる曲、などなどたっぷりご紹介します (以下の曲を見付けた経緯については「ぴあの(8)バッハに開眼:叙情の調べ七選」をご覧下さい)。長らくご愛読有難うございました。BWV783 Invention no.12BWV791 Sinfonia no.5  BWV793 Sinfonia no.7 BWV825 Partita no.1BWV826 Partita No.2BWV857 平均律クラヴィーア...

ぴあの(14)三冊目の教則本


というわけで、やっぱり何か続きの教則本が欲しい。実は探すまでもなく、安川加寿子センセイが『ピアノの練習 ABC』の冒頭に、「次は『ラジリテ』よ」と書いてくれてある (L’Agilité 敏捷さの意)。著者は『ピアノの練習 ABC』と同じル・クーペ。しかし『ピアノレッスンのヒント』に、『ラジリテ』は『ツェルニー30番』と一部重なる、『ツェルニー30番』はお楽しみのピアノには必要無し、と書いてあるんですね〜。これを読ん...

ぴあの(13)『ピアノの叙情詩』


2018年7月、フランスから『メトードローズ ピアノの二年生』を取り寄せて、「こりゃ〜まずった」と思いました (連載の (11))。動揺を鎮めるべく『ピアノレッスンのヒント』に行ったところ、項目「楽曲と教材」に「大人の女性に人気」との触れ込みで、 キャサリン・ロリン『ピアノの叙情詩』 が紹介されているのを発見。初・中級向けとのことで、YouTube で聴いてみるとどれも旋律が美しい。例えば、 悲歌 クラシックではない...

ぴあの(12)『ピアノの練習 ABC』


練習曲は全て一ページ。番号代りに、 J を除くアルファベットの25文字が振ってあるので、『ABC』なのです。それにしても、速度指定には参ります。4分音符=120 を越えるものばかり。つまり一秒に4分音符二回、8分音符なら4回以上打つんです。『メトードローズ』には一切速度指定が無かったので、4分音符はこのくらいかという程度で満足して、速く弾く練習を殆どせずに終えました。『ABC』に入ったからと言って、急に速く弾ける...

ぴあの(11)『メトードローズ』を終えると


日本ではル・クーペの『ピアノの練習 ABC』 (安川加寿子 校訂・註) が自然な流れとされており、私も『メトードローズ』と一緒に買っちゃいました。しかし『メトードローズ』の日本語が時々ヘンなので、仏語のプロとして真実を突き止めずにはいられず、原書を購入。すると何と訳本・第六課の口上に、「この最後の課程を終ると、クラシックの易しい楽曲等が弾けるようになります」とあるところ、原文では: 「この最後の課程を終る...

ぴあの(10)とにかくゆっくり弾く


連載 (6) の最後に、『メトードローズ』の練習曲は『バイエル』より音楽性を感じると書きましたが、中には何の感興も湧かない曲もある。そういうのに限って、幾ら繰り返してもミスらずに弾き通すことができない。 厭な曲でも辛抱して弾かないと上達しないの?何の魅力も感じない曲をしつこく弾いていると、ボクの豊かな感受性が失われてしまうんじゃないの? ..... などと心は千々に乱れるのであります。第六課 (総集編) の直前...

ぴあの(9)腕を痛めると大変なことに


私のように高齢の方は、腕のメンテにお気を付け下さい。実は既に右手の肘に軽い故障があって、東京の某鍼灸院に通っておりました。しかしピアノを始めてからは、予防も兼ねて週一に頻度を上げ、時間も増やしました。三ヶ月余り過ぎて、久し振りに本棚の上まで掃除機を掛けたところ、左手上腕が激しく痛み出し、急遽治療してもらいに行きました。治療が過ぎるといけないと思い、「90分連続集中して可能な範囲で」と言ったところが、...

ぴあの(8)バッハに開眼:叙情の調べ七選


ここでちょっと一息。 若い頃は専らロマン派を聴いたのに、いつ頃からかバロックのハープシコード曲が好きになりました。最近はハープシコードの音よりピアノの方が澄んでいるように感じて、練習中に指や腕を休める間、YouTubeでバッハのピアノ曲ばかり聴いています (正確にはピアノ・バージョン)。一々CDを買わなくても... と言うより、一々買っていたら幾らお金があっても足りないのに、色々聴けるのでYouTubeサマサマです (但...

ぴあの(7)『メトードローズ』に関するご注意


この連載を読んで『メトードローズ』をお買いになった方に、老婆心からのご忠告です。1)『メトードローズ』は恐らく『バイエル』より進み方が早い その分じっくり・みっちりやらないと、身に付かない。私は、ページ数にして2/3程来たところで急に前に進めなくなり、それまでの練習が不充分だったのだろうと、第二課 (p.12) の最初から復習を並行して始めました。復習すると、少しは上達したんだという気分も味わえます。2) p.30...

ぴあの(6)教則本『メトードローズ』を採用


正確には『メトードローズ ピアノの一年生』(Méthode Rose)。フランスのエルネスト・ヴァン・ド・ヴェルドが著した子供向け教則本です (音楽之友社、ピアニストの安川加寿子・訳編)。 第一課 (p.5〜11) :ゼロから始める人向けの導入部。曲は全て、左右両手でオクターブ離れた同じ音を弾く。 第二課〜第六課 (p.12〜59) が本体。かっては日本でも『バイエル』と並ぶ人気を誇ったそうですが、最近はアメリカ系に押されてい...

ぴあの(5)『バイエル』を三週間で放棄


1月末に電子ピアノが到着し、『バイエル』上巻で一日一時間のお稽古を始めました。それから3週間、半分も行かない内に、「上巻の次は下巻」という調子でやっていて良いのか心配になってきました。専門家グループのサイトを見たからです: 『ピアノレッスンのヒント』教則本の様々な系統、練習のアドバイスなどに加えて、「特集 バイエルを考える1、 バイエルの初級教材としての問題点」と題する記事があり、要点は以下の通り:...

哀愁の調べ わが心を慰む (22)


ロシア娘... と言ってもまだ11か12のヴィカ・スタリコヴァ。2021年1月17日現在、日本でこの子に目をつけているのは恐らく私だけですが、そのきっかけとなった弾き語りをご紹介: 鶴 ロシアの草原 海よ!歌声はさすがに幼いが、ピアノを弾きつつ歌う様が可愛らしく、ピアノ伴奏の旋律もいい。可愛らしいと言っても、将来男どもを惑わせるんじゃないか... と心配になるタイプではなく、真面目そうで愛くるしいお嬢ちゃんです。プ...

哀愁の調べ わが心を慰む (21)


唐突ですが、 「道」第二次大戦直後の1945年にロシアで作詞作曲された歌ですが、聴きながら字幕を読んでいたら何十年ぶりかにじ〜んときて、書き写さずにはいられませんでした: おお 道よ  砂埃と霧よ 寒く 心細い 荒野の草むらよ 明日は分らぬ この身の上 せめて 翼休めよう 荒野のただ中に 砂埃は舞う 軍靴に 荒野に 草原に 辺りには 炎荒れ狂い 弾丸が 風切る おお 道よ  砂埃と霧よ 寒く 心細い 荒...

哀愁の調べ わが心を慰む (20)


儚き夢ロシア風イージーリスニング(「哀愁の調べ わが心を慰む (19)」)に凝っている内に、思いがけない発見です: 乙女たち... アップテンポで、でもどこか哀しげな曲をバックに、読書や散歩中の可憐な少女たちの絵が流れます。何気ない姿を目にした瞬間、ほのかな恋心が芽生えて抑えられなくなる。昔々そういうこともありました...絵の少女たちを見ていると、ナンパしようなどという気も失せて、ただただ見とれていたくなる。こ...

哀愁の調べ わが心を慰む (19)


ロシア風い〜じ〜りすにんぐ十選 風...ピアノのお稽古で年寄りの指を痛めぬようにと思うと、10分弾いては15分休むという感じになり、全体ではもの凄い時間を割いています。バルザックの『あら皮』さながら、私の寿命はその分どんどん縮まって行く... (「バルザックの『あら皮』または『悲しみの皮』」)。  YouTubeのお陰で、バッハにも綺麗な旋律の曲があるらしいと気付いて以来二年近く、休憩中はバッハまたはそのピアノ編曲を...

哀愁の調べ わが心を慰む (18)


フランスの作曲家 サン・プルー (Saint Preux) と言われてもピンと来ないかも知れませんが、この曲はご存知でしょう: 「二人の天使」 (Concerto pour une voix  一声のためのコンチェルト)イージーリスニング系の作曲家らしいのですが、非常に多作で素敵な曲も多い。でも日本では何故か「二人の天使」以外殆ど知られておらず、かく申す私もつい最近発見したばかり (連載 (17) の一番最後)。私の好みと申しますか、ポール・モ...

哀愁の調べ わが心を慰む (17)


「初中級向けで大人の女性に人気」と聞いて飛び付いたキャサリン・ロリン『ピアノの叙情詩』。 (「哀愁の調べ わが心を慰む (13)」)それでも、通して弾けるまで練習したくなる曲は4つか5つで、一応終了。 (「哀愁の調べ わが心を慰む (16)」)取り敢えずバッハに戻って手の届きそうな曲を練習しているのですが、5分か10分弾くと指が疲れてきて違和感を感じたりするので、すぐ休憩。その間にできることと言えば結局、YouTubeを覗い...

哀愁の調べ わが心を慰む (16)


突然ですが、電子ピアノの音が一つだけ出なくなりました。パソコン・スマホの類は一切延長保証を付けずにやってきたので、こちらも付けてないと思い込んでいたのですが、購入先の島村楽器に電話したところ、五年の延長保証が付けてあるそうな。折角金を払って付けたのなら、利用しない手は無いと修理を依頼。しかし、買ってもう二年と二ヶ月。南戸麻亜さんのアドバイスのお陰で (「哀愁の調べ わが心を慰む (1)」)、全くものにな...

キャサリン-ジェンキンス "La Califfa"


突然ですがお聴き下さい: "La Califfa"中村俊介主演の浅見光彦シリーズ第50作『貴賓室の怪人』の再放送を見ていて、前奏無しで流れた女性の歌声が耳に留まりました。ドラマは必ず録画した上で見る主義なので、僅か35秒間の旋律を何度も再生している内に、いよいよ好きになってしまった。何故かと思うに、たまたまバルザック『三十女』の、美しい大人の女性の秘めた恋が語られる場面を読んだばかりでありまして、きっとこの35秒間...

カッチーニの Ave Maria


と言われても、ご存知ないかも知れません。でもお聞きになればすぐ分ります: シャルロット・チャーチこの曲を知らずにいたのはまたまた私だけだった気配もありますが、余りに綺麗な旋律なので、知った以上書かずにはいられません。最初に耳にしたのは、数年前に例の如くザッピングしていて目に入った韓流ドラマ『天国の階段』です: サウンドトラック元々の曲に比べるとかなりテンポが速いように感じたのですが、実はドラムスの...